アンティーク・ヴィンテージ・ミッドセンチュリーの違い
「アンティーク」「ヴィンテージ」、そして「ミッドセンチュリー」「ポストモダン」。家具を売却する場面でよく出てくる言葉ですが、前の二つは年代の区分、後の二つはデザインの区分で、指している軸が異なります。混同しやすいところを整理しておきましょう。
年数による区分
アンティークは、国際的には「製作から100年以上経過したもの」を指すのが一般的な目安とされています。米国の関税法で100年以上前の品を無税扱いとしたことに由来する慣習的な線引きで、絶対的な決まりではありません。
ヴィンテージはもともとワインの収穫年を指す言葉で、そこから転じて「特定の年代の良いもの」を指すようになりました。目安としては製作からおおむね20〜30年以上、100年未満のものを指すことが多い言葉です。デザイナーズ家具の多くは20世紀の量産期以降に生まれているため、市場では「ヴィンテージ家具」と呼ばれる範囲に入ります。
ミッドセンチュリーという区分
ミッドセンチュリーは、おおむね1940年代から60年代(作り手によっては70年代初頭まで)の、世紀の半ばに生まれたモダンデザインを指します。成形合板の三次元曲面、ファイバーグラスの一体成形、細いスチールロッドの脚など、戦後の工業技術が家具の形そのものを変えた時代です。
これは年数ではなくデザインと生産技術による区分なので、「ヴィンテージであり、かつミッドセンチュリー」という言い方が成立します。同じ1950年代の家具でも、量産を前提とした米国のものと、職人の手仕事を土台にしたデンマークのものでは造りが異なり、評価の見方も変わります。
ポストモダンとコンテンポラリー
ポストモダンは1970年代末から80年代にかけての潮流で、モダンデザインの機能一辺倒への反動として、鮮やかな色・装飾的な形・素材の意外な組み合わせが持ち込まれました。イタリアのメンフィスに関わったデザイナーたちの仕事が代表的で、近年あらためて評価が高まっている分野です。
コンテンポラリーは1990年代以降から現在に続く同時代のデザインを指します。まだ現行生産中のモデルも多く、ヴィンテージというより中古市場での評価になりますが、生産終了モデルや限定色は例外的に高く評価されることもあります。過去の名作を権利者の許諾のもとで再生産した正規復刻(ニューエディション)も、製造年でいえばこの範囲に入ります。
売却時に意識したいこと
売る側にとって大切なのは、呼び方そのものよりも「そのお品がどの軸で評価されるか」です。1950年代のシェルチェアも、80年代のポストモダンの椅子も、評価するのはデザイナー・製造元・製造年代・状態・市場の需要という同じ物差しです。
「アンティークと呼べるほど古くないから」と諦める必要はありません。この分野では比較的新しいお品が、より古いお品より高く評価されることも珍しくないためです。年代がわからないままで構いませんので、まずは写真からご相談ください。
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よくあるご質問
アンティークとヴィンテージの違いは何ですか?
どちらも年数による区分で、線引きの位置が違います。アンティークは製作から100年以上経過したものを指すのが一般的な目安、ヴィンテージはおおむね20〜30年以上100年未満を指すことが多い言葉です。
ヴィンテージ家具は何年前のものからですか?
製作からおおむね20〜30年以上を目安とすることが多い言葉です。ただし売却時は年数よりも、デザイナー・製造元・製造年代・状態が重視されます。
なぜアンティークは100年が目安とされるのですか?
米国の関税法で100年以上前の品を無税扱いとしたことに由来する慣習的な線引きとされています。法律で一律に定められた区分ではなく、あくまで目安です。
ミッドセンチュリーとはいつ頃の家具ですか?
おおむね1940年代から60年代のモダンデザインを指す区分です。成形合板の三次元曲面やファイバーグラスの一体成形など、戦後の生産技術による呼び名で、年数の区分とは軸が異なります。
ポストモダンとはどんなデザインですか?
1970年代末から80年代にかけての潮流で、鮮やかな色、装飾的な形、素材の意外な組み合わせが特徴です。イタリアのメンフィスに関わった作り手の仕事が代表的です。
コンテンポラリーはどの範囲を指しますか?
1990年代以降から現在に続く同時代のデザインを指します。現行生産中のモデルも多いため、ヴィンテージというより中古市場での評価になりますが、生産終了モデルや限定色は例外もあります。
「ヴィンテージでミッドセンチュリー」という言い方は正しいですか?
成立します。ヴィンテージは年数の区分、ミッドセンチュリーはデザインと生産技術の区分で、指している軸が異なるためです。1950年代の椅子はその両方に当てはまります。
古いほど高く評価されるのですか?
そうとは限りません。この分野では比較的新しいお品が、より古いお品より評価されることも珍しくありません。デザイナー・製造元・製造年代・状態・需要が判断の軸です。
中古品とヴィンテージ品は何が違いますか?
呼び分けに定まった基準はありません。売却の場面では呼び方よりも、誰が設計しどこが製造したか、どの時期の生産か、状態はどうかが評価を決めます。
同じ1950年代でも産地で評価は変わりますか?
変わることがあります。量産を前提とした米国の家具と、職人の手仕事を土台にしたデンマークの家具では造りが異なり、確認する箇所も評価の見方も変わります。
正規復刻(ニューエディション)はどの区分に入りますか?
製造年でいえばコンテンポラリーの範囲に入ります。過去の名作を権利者の許諾のもとで再生産したもので、当時つくられたお品とは分けて評価します。
年代がわからないまま相談してもよいですか?
構いません。年代の判断も査定のうちです。全体の写真と、座面裏や天板裏のラベル・刻印の写真をお送りいただければ、おおよその目安をお伝えします。
その一点の買取価格を。
拝見・お見積りは無料。1点でも、お部屋まるごとでも。経年の傷みがあっても、作家やブランドがわからなくても構いません。

